トレンドブログに限ったことではありませんが、昨今何かと問題になっている「著作権」の問題。
私は法的な専門家ではありませんので事細かな事例を速やかに対処ができるわけではありませんが、ある程度の法的な知識を有した上でブログを運営している”つもり”です。
この”つもり”ってのは危険なワードでもありますよね。
何事も「自称・中級者が一番危うい」とも言いますから。
とはいえ、「著作権専門の弁護士・行政書士」などに様々なケースの相談を積み重ね、「これなら大丈夫」とお墨付きをいただく運営をできるようになっていきました。
別に自慢でもなんでもないです。
何よりも100%安全なサイト運営ってのはほぼありえないわけですしね。
私たちにできることは、どれだけ健全な運営をしていけるかってこと位な訳ですよ。
さて、
ここから先は私にとって非常にデメリットが多い内容となっています(笑)
私はいわゆる「トレンドブログ」を運営しているのですが、
順調に結果を出し、立ち上げ数ヶ月で月収が40万近くまで到達しました。
そこから現在にいたるまで安定した収益を得ているのですが、
順風満帆というわけではなく、色々なトラブルにも見舞われたんです。
そのトラブルのうちの一つが
著作権問題
です。
トレンドブログというのは比較的初心者向けのインターネットビジネスと言われていますよね?
”自身のブログに記事を投稿しPVを集め、Google AdSenseを利用して広告収入を得る”
もちろんGoogle AdSenseだけでなくアフェリエイトなど様々な手法を用いて収入を得る方法なんかもあり、昨今ポピュラーなネットビジネスとなっていますし、この記事をご覧の方もトレンドブログ実践者がほとんどだと思います。
もしあなたがトレンドブログ実践者だとしたら「エッ?」と思う内容かもしれませんが、はっきりと断言します。
世の中のトレンドブログの8〜9割は明確に著作権侵害をしています。
そして、ほとんどの方々がその怖さを正しく理解していないorなめてます。
脅しているわけではないんです。ただ断言できるんですよ。
なぜなら私は、著作権侵害で痛い目を見ているから。
・・・情報発信をしている人間がこんなこと書くメリットってはっきり言って無いと思います(笑)
それでも書く理由として、いいことばかりツラツラと記している情報発信者になりたくないな・・・って気持ちもありますし、この件で私は「知識・経験」という財産を得ましたし、何よりも自分自身の備忘録として記しておこうという気持ちで書いてます。
そして「著作権侵害で訴えた」って人のブログはよく目にすると思いますが、逆のパターンって滅多に目にしないですよね。
そりゃ倫理的にも開け拡げて書くわけはないですよねw
一応断っておきますが、訴えられてはいません(笑)
ちゃんと対話をし、使用料金を支払うことで和解しました。
そして「実名を伏せて特定できないようにすれば、この件を記事にしてもいいですよ」とのお言葉をいただきましたので、厚顔ではありますがこうして記事にしています。
今回は、私の経験やそこで得た知識をシェアしますので、何かしらのお役に立てましたら幸いです。
Contents
運営しているブログに著作権侵害・異議申し立てが届いた
備忘録として残しておくつもりで書いてますので読みにくいと思いますがご了承くださいm(__)m
私は30代の声優でして、Wikipediaにページがあるくらいの仕事はしております。
著作権よりそっちに興味がある方はこちらをご覧ください(笑)
そんな私が一念発起してトレンドブログの運営を開始したのは2016年4月。
始めた理由は経済的な不安と、現在の師匠でもある「ゆーいち」さんのブログとの出会いからです。
PCの操作・・・というか、PCそのものはゲームをやるためしかまともに使ってなかった私ですが、アドセンス申請が3日で通るおおらかな時代にも助けられ、2016年5月から本格的にブログ運営を開始しました。
スタイルは「ごちゃ混ぜトレンド」。
師匠の教え方は懇切丁寧で、初心者にもわかりやすくレクチャーしてくれ、結果はすぐに出ました。
そんな状況で油断していたんだと思います。
師匠のゆーいちさんからは「画像の取り扱いには気をつけてくださいね」と言われていたのに、記事の執筆速度を上げるために「画像検索で見つけたぴったりの画像を引用元の明記すらせずに貼り付けていた」という今考えたら愚の骨頂とも言えることをしていました。
記事を投稿すればするだけPVが伸び、3ヶ月目となる7月には月収10万が現実として見えていました。
そんな時にこんなメールが届きます。
そちらのサイトで○月○日に投稿された記事内の■■の画像は私の著作物であり、使用許可を出した覚えはございません。
無断で私の写真を使用したことによる著作権侵害で弁護士を通じて内容証明の準備をしております。
これから全ての記事を削除しても手遅れですので覚悟してください。 ※内容はだいぶ改変してますが、大筋はこのような内容です。
はっきり言って心臓が止まりかけました。
すぐさま師匠に連絡し話を聞いてもらったことで少し心が落ち着きましたが、ずっとふわふわとしてましたから。
すぐさま先方に謝罪のメールを入れたのですが、返事はすぐに返ってきませんでした。
正直言って、その日は寝れませんでしたよ^^;
ハートが弱いっていうのもあるのですが、ネットで著作権侵害の情報を集めていて逆に不安になったんです。
ネット上にある著作権侵害に関する情報は大体が「侵害された側がどうやって訴えたか」みたいな情報ばかりですから。
返事が返ってきたのは3日後。
ちなみにその間トータルの睡眠時間は4時間くらいです(/ _ ; )
内容はかなり強烈で、
あなたがしたことは明確な著作権侵害です。
どれだけ謝罪の言葉を重ねられても信用できませんし、それを受け入れるつもりもありません。
さすがに吐きましたね。
もうフラフラでした。
事の顛末・今思うこと
すっかり疲弊しきった私は弁護士に丸投げしようと思いました。
ただ、お金がないからトレンドブログをスタートしたわけで、弁護士費用は正直痛い・・・。
なので、法テラスで相談をしようと思い調べてみたのですが、法テラスは相談内容によってそれぞれ日時の枠があり、しかもインターネット関連でのトラブルはかなりの盛況っぷりで予約2週間待ちとかでした(場所にもよります)
色々と逡巡した結果、
「普通に弁護士事務所に行って相談・依頼・解決した場合にかかるお金は多分、和解金より高くなるよな・・・」
と考え、個人で金額の交渉を開始しました。
今考えたらこれは間違いでしたね。
法知識をちゃんと有していないので「相場の金額」が全くわからないまま交渉をスタート、結果として、
1枚の画像に対し、使用料として14万円を支払う
という内容で和解をしました。
今なら「この金額は常識的に考えてありえない」と断言できるのですが、当時の私は法知識や判決例などの情報も頭になく「これで終わるなら」と金額を支払ったんです。
「使用料」という名目でお支払いをしてこの件は終わりました。
とまぁ、こんなことがあったものでして、それからというもの画像や引用文に関してはシビアに考えるようになっていきました。
結果として「和解」という形で穏便に解決ができたこと、しっかりと謝罪をし最終的には受け入れてくれたことなどもあり、今でもそのブログは記事を更新しています。
著作権侵害で訴えられないために

私は「和解」という形で決着しましたが、実際に内容証明が送られてきて裁判沙汰になったケースを最近よく耳にします。
その理由の一つが「コメント欄・問い合わせ窓口を設置していない」ということが多いからなんだそうです。
URL・IPアドレスを元に身元照会をして内容証明を送るしか方法がない
ということですね。
もちろんそれだけが理由ではなく、「徹底的に戦う意思のある方」は法的な宣戦布告である内容証明をいきなり送りつけてきます。
後者は非常に脅威で「経験豊富なボクサーがファイティングポーズをとっている」場合がほとんどです。
まずは大きなトラブルを回避するためにも「問い合わせフォーム」は必ず作って多くことをオススメ致します。
そして肝心の画像・文章の引用についてですが、
文章に関しては引用要件を満たせばまず問題ないと思われます。
引用要件とは・・・
引用は権利者に無断で行われるもので、法(日本では著作権法第32条)で認められた合法な行為であり、権利者は引用を拒否することはできない。権利者が拒否できるのは、著作権法の引用の要件を満たさない違法な無断転載等に限られる。
文化庁によれば、適切な「引用」と認められるためには、以下の要件が必要とされる。
- ア 既に公表されている著作物であること
- イ 「公正な慣行」に合致すること
- ウ 報道,批評,研究などの引用の目的上「正当な範囲内」であること
- エ 引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること
- オ カギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること
- カ 引用を行う「必然性」があること
- キ 「出所の明示」が必要(コピー以外はその慣行があるとき)
— 文化庁 (2010)
引用:Wikipedia
上記の要件を満たせば、著作権利者に無断で使用できます。
ちなみに私もWikipediaから引用してますが、引用要件をしっかりと満たしていると考えます。(そもそもウィキペディアはCCですからね)
引用ってちゃんとわかるようにしてあり、文量的に主従の関係があり、引用元を明記し、正当な範囲内で、必然性を持って使用しています。
他者の創作物を丸っと転載したりしない限り、文章の引用は要件を満たすのが比較的容易なのです(歌詞はまた別)
とはいえ、「引用の明確な基準はなく、個別の事例ごとに判断するしかない」ので、私たちにできることは「誰がどう見ても引用として成立する」ような使い方をする努力が必要になります。
もっと大変なのは画像です。
画像は本当に難しいんです。
なぜなら「その画像じゃなきゃいけない理由」つまり「必然性」を明確にするのが難しいんです。
例えばあなたが「富士山に関する記事」を執筆するにあたり、富士山の画像を検索するとしましょう。
そこで「これがイメージにぴったり」として画像を引っ張ってきたとします。
こういった方って結構多いんじゃないでしょうか?
しかし、それだけで引用要件の「引用を行う必然性」を証明するのは本当に難しいわけです。
世に中には他にもたくさんの富士山の画像があるわけですから、
「なぜその画像じゃなきゃいけなかったのか?」を明確にする必要があるんです。
そこまで考えて画像を引っ張ってきている人ってほとんどいないんじゃないでしょうか?
ちなみに引用要件をしっかりと満たせていない場合は著作権法違反になります。
それと、よく「転載元」って言葉を様々なサイトなんかで見ますが、
転載と引用は全く別物です。
転載とは「相手から許可を得て使用する事」なので、相手から許可を得ていない場合は転載とは言えません。
無断転載は以下の条件に合致した場合のみ出来ます。
説明の材料として使う場合に限定して「国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物」(著作権法32条2項)
「新聞紙又は雑誌に掲載して発行された政治上、経済上又は社会上の時事問題に関する論説(学術的な性質を有するものを除く)」(著作権法39条1項)
同一の著作者のもののみを編集して利用する場合を除き、公開して行われた政治上の演説又は陳述及び裁判手続(行政庁の行う審判その他裁判に準ずる手続を含む)における公開の陳述(著作権法40条1項)
引用:Wikipedia
さらに以上の条件であっても『転載禁止』の表示がある場合には引用を除く転載はできません。
つまり、相手から許可を得ずにブログで画像を引っ張ってくる場合は「引用」でないとほぼアウトなわけです。
著作権の侵害は親告罪なので「著作権保有者じゃないと訴えられない」ということから、「発見されていない」だけで、忘れた頃に突然連絡がくる・・・ってことも結構あるようです。
私がお世話になっている弁護士に話を聞いたところ、ネット上の著作権問題での相談がかなり多いようですし、アサヒカメラの損害賠償請求&削除依頼マニュアルなども大きな話題となっていることから、損害賠償請求をしてくる方々が今よりも更に増えてくることが容易に想像出来ます。
まとめ
ここまでつらつらと書き綴ってきましたが、
あなたのサイトが著作権トラブルに巻き込まれないために、
・問い合わせ窓口を作る
・引用要件をしっかりと満たす
・画像を多用しすぎない
・Twitterの埋め込みや共有、パブリックドメイン・クリエイティブコモンズライセンスを活用する
などを個人的におすすめします。
ちなみに私がこのサイトで使ってる画像はかなりの割合で「ぱくたそ」さんを使っています。
また、損害賠償請求された場合の対処法としては、
『速やかな謝罪』
これが第一歩です。
悪いのは侵害した側ですから、誠意を持って謝罪するのは当然ですよね。
相手がその謝罪で納得してくだされば、損害賠償請求を回避することも出来るかもしれません。
結果、金銭による和解となった場合は、
しっかりと法的根拠・過去の判例を引き合いに金額を算出しこちらから提示していくべきだと思います。
たまに「年間使用料で4万円&違約金として使用料の5倍を請求する」などと超強気な方もいるそうですが、
使用料・違約金は契約をして初めて発生するものですので、著作権侵害による損害賠償の金額としての根拠ではない場合がほとんどです。
もしそれで揉めるようならば素直に弁護士に相談することをオススメします。
最後に・・・
たまにブログ運営のコンサルタントをしてる方で「著作権侵害を推奨してくる人・無頓着な人」とかいるそうですが、はっきりいってそういった人についていったら先がないと思った方がいいです。
「利益を出すために法律違反を推奨する・理解していない」ってことですし、法的な理論武装をしないままサイトを運営しているってことですから。
何かあってもなんのフォローもしてくれない&出来ないってのが関の山です。
こういったトラブルがあなたの身に起きないことを祈りつつ、私もより一層気をつけて行こうと思います。
では、またお会いしましょう!
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