ジョジョのアニメ作画監督へのギャラ不払い問題とアニメ業界の現状や体質

今回はちょっと「アニメ業界の体質や問題」に踏み込んだお話をしようと思います。

 

この記事を書いているのは9月22日早朝。

中途半端に寝てしまった結果早朝にもぞもぞと起き出して、ネットをぼんやりと眺めていたらこの話題がニュースになっていました。

 

「ジョジョの作画監督へのギャラ不払い問題」

 

個人的な感想ですが、アニメ版「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」はここ最近視聴したアニメの中でもダントツで面白かったんですよ。

もともと原作のジョジョが好きだという方もジョジョシリーズ初見の方もそれぞれ楽しめた作品だったのではとも思いますし、ストーリー展開・作画・そして演者と本当に隙のない仕上がりでした。

ネット上でも賞賛の声を数多く目にしましたし、同業他社のアニメ制作に携わってる方々と話しててもみなさん高評価の稀有な作品。

 

コンテンツとしてもビックタイトルですし実際にファンも多い作品ということでこの問題はツイッターを中心にかなり話題になっているようですね。

 

というわけで本日は、

ジョジョ作画監督へのギャラ不払い問題とアニメ業界の現状や体質について

ざっくりではありますが私見を交えて書いていこうと思います。

ジョジョ作画監督のツイートと告発内容


↑のツイートは当事者である「アしや耕平」さんのものですが、端的にいうと「ボランティアでの参加ではなかったが1年半給料が不払い」という内容。

ツイート内での文言などは非常に穏やかに書かれており、問題を大きくしたいわけではないとの発言もされております。

ですが、この内容をアニメ業界と全く関わりのない方が見たら「まじかよ…」ってそりゃなりますよね。

 

まぁ…けどですね、多少改善されてきたとはいえ「これがアニメ業界です」と言えるくらいこの手の問題はしょっちゅう起きています。

実際にあった事例を交えてお話を進めていきますね。

 

…っとその前に。

この手の問題は一方のみの話を100%鵜呑みにするべきではないことだけは付け加えておきますが、過去に私もギャラの不払いについて目の当たりにしてきたことがあるので「そういうことがある業界」という前提でお話を進めていきます。

ギャラの不払いはよくありました

先ほど「この手の問題は一方のみの話を100%鵜呑みにするべきではない」とお話ししました。

実際問題契約がどうなっているのかわからない以上正直なんともいえない部分もありますし、もっと言ってしまえばアニメ業界は割と「口約束」と「縦横の繋がり」でお仕事をすることも多いのでしっかりと紙面で契約を交わしていたのかも謎です。

 

とはいえ私自身、制作スタッフへのギャラ不払いや杜撰な仕事の丸投げなどをよく目の当たりにしてきました。

私は声優として「演者」での参加がほとんどでしたので、ギャラの不払いというのはほぼなかったですが…と言っても事務所によっては不払いのままうやむやにしちゃうこともあるんですけどね。

実際に私の友人が、数個の仕事のギャランティを事務所からもらえなかったことがありましたし(汗)

 

ちょっと脱線しますが、

声優のギャラが支払われるまでのプロセスって事務所単位でちょっと違うんですよ。けどまぁ仕組み的には同じなのでちょっと解説しますね。

声優のギャラが支払われるまでのプロセス

1.作品に出演決定

2.スケジュール抑え

3.アフレコ収録

4.OA(放送・公開される)

5.放送数ヶ月後に制作会社・音響制作会社・キャスティングマネジメント会社などから事務所へ振込

6.事務所から声優に支払われる

一般的なアニメの場合は大体こんな感じです。(事務所に所属していないフリーの場合は直接振り込まれます)

 

これ大事なことなんで言っときますけど、仮にOAされなかった場合、ものによってはギャラが未払いになることがあります。

私自身はないですけど、OA前後に制作会社が潰れて事務所にギャラが振り込まれなかった為に声優へも未払いだったという事例は結構耳にしたことがあります。

 

今回の「ジョジョ作画監督への不払い問題」とは問題の毛色が違いますが、業界そのものの体質としてはどんな形であれ不払い・未払いが多い業界であることは間違いないです。

制作スタッフへのギャラが不払いになる理由

声優へのギャラ不払いについては前述の通りなのですが、制作側のスタッフでも同じことは起きます。

例えば知人の音響監督からは「映画の公開自体がポシャったので、アフレコ・整音まで終わってるのにギャラもらえなかった」というエグい話を聞いたこともあります。

 

今回のジョジョ作画監督のアしや耕平さんの事例はこれとは全く違いますので、当然別の理由が存在します。

冒頭でも書いた通り契約周りがどうなっていたのか知る由もないのでなんとも言えない部分が多いですが、推測するとおそらくは「制作会社にお金が入らない構造」がもっとも大きな要因だと思います。

 

アニメーターの低賃金問題は社会的に大きく取り扱われつつありますが、それと同じように現場レベルのスタッフは低賃金での長時間労働がまだまだ多い業界です。

 

声優も多少変わりつつあるとは言え、ギャラに関してはまだまだかなり安いと思いますし。

 

またまた脱線しますが、サザエさんの波平の声を担当されていた故・永井一郎さんがかつて、

「波平さん1回分」のギャラは4万3200円で、年52本プラス予告編への出演(年7回)をあわせ、そこからもろもろの経費を引かれると、1年の手取りはおよそ164万円になる

と公表したことで大きな話題になったことがあります。

 

アニメ業界の現場に立つ人間ってのはまだまだ「上に搾取される側」に近いんですよ…。

 

話を元に戻しますと、

特にアニメってのは「コストが馬鹿高いコンテンツ」ですので、採算を取る為には権利関係のやりとりやら関連グッズやら他の番組以上に「一般的な番組スポンサーと違う形のスポンサー」が大事になってくるコンテンツ。

アニメ1本制作する為には数千万単位のお金が必要になってくるのですが、上から下に予算配分を進めていくと結果として一番絞られるのは現場サイドで、制作会社の親会社などは関連グッズ収益などで潤ってる…なんてことも。

これに関してはどこの業種でも割と同じようなことがあると思いますが、アニメ業界ってのはそれに輪をかけてそういうことが起きてるんですよ。

 

多分今回の一件も、そう言った現場サイドの状況なんかも影響して「アしや耕平さんには後回しで…」といったことになってるのだと思います。

あくまでも推測ですけどね。

 

と言った感じでつらつらと書いてきましたが、アニメ業界ってのは未だにこういうことが起きてるんですよ。

それでも作品に対する愛情とか自身の夢とかで自分に鞭打って懸命にひたむきにエネルギーを注いでるんです。

 

もちろん視聴者にそういう部分が見えてしまっては興ざめになってしまう部分ではあると思うんですけどね、長く続けていこうと思えば思うほどアンビバレンスなことがつきまとう世界なんですよ。

 

というわけで、私見ですがつらつらと書き綴ってみました。

ではまた!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です